集合墓の特徴や種類をメリットやデメリットを交えてわかりやすく解説
昨今、価値観の多様化にともない、さまざまな埋葬形式のお墓が登場しています。とくに、集合墓に関しては、合同墓、合葬墓などの似たような意味を持つものも多く、混乱している方も多いでしょう。
そこで、今回は集合墓の特徴、種類について詳しく解説します。
集合墓の特徴は血縁関係のない方とも埋葬される
集合墓とは、複数の人の遺骨をひとつの場所に集め、まとめて供養・埋葬を行う墓のことを指します。集合墓は、家族以外の血縁関係の方と一緒に埋葬されるところが普通のお墓と大きく異なります。
なお、霊園などによって永代供養墓、合同墓などの別の名称で呼ばれる場合があります。集合墓と似た埋葬形式として、合祀墓、合葬墓などもあります。
集合墓の4つのメリット
集合墓を選ぶことのメリットとして、
- 管理の手軽さ
- 費用を抑えられる
- 身寄りがなくとも墓の維持が可能
- 宗教・宗派を気にする必要がない
といった4つが挙げられます。
1.管理が楽なため遺族が高齢でも安心
集合墓は管理が楽で、お墓の手入れが残された家族の負担になることはありません。個人墓の場合は、定期的にお掃除をしなければなりませんが、集合墓であれば、霊園が一括で管理してくれるため、そのような手間はかかりません。
また、永代供養を行っている霊園であれば、霊園が半永久的に遺骨の供養から管理まで請け負ってくれるため、遺族が高齢者のみの世帯でも安心です。
2.土地代をはじめとした費用が抑えられるため
集合墓は個人のお墓に比べると、とても安いです。そのため、遺族に金銭的な負担を掛けずに済みます。
個人墓では、墓石代やお墓を置く土地の使用料が発生し、お墓を建てるには高額な費用がかかります。一方、集合墓であれば、すでにお墓が用意されているので、墓石を用意する必要はありません。また、共同で埋葬するので、土地を占有するための費用も節約できます。
そのため、集合墓は個人墓よりも安く供養・埋葬が行えるのです。また、永代供養を行う場合は、毎年管理費を徴収することも無くなるので、長期的なスパンで見ればお得です。
3.身寄りがない方でも墓の維持管理が可能
最近では、身寄りのない独り身の高齢者の方も多く、墓を管理・維持していくことが困難なケースも多々あります。しかし、集合墓であれば、たとえ身寄りが無くとも霊園が墓を管理してくれるため、安心してこの世を旅立つことができます。
また、家族はまだ存命ではあるが疎遠となっているケースでも、集合墓を利用すれば、自分の死後のお墓の管理に頭を悩ませることはなくなります。
さらに、永代供養を活用すれば、将来的に墓を管理する家族がいなくなったとしても、霊園が半永久的に管理を行ってくれるため、無縁墓になることはありません。
4.宗教・宗派を気にする必要がない
お寺や霊園は、宗教や宗派の関係上、遺骨の供養・埋葬が承れないと断ってしまうことがあります。しかし、集合墓であれば、基本的にどんな宗派に属していようが関係なく、誰でも受け入れてくれます。
また、家族の中に別の宗派に属する方がいるケースでも供養・埋葬を断られることがあります。そのようなケースでも、集合墓地を利用すれば、安心です。
もちろん、最近では他宗教の埋葬に関しても寛容な霊園も増えてきていますが、家族がお墓を探し回る手間を考えると、初めから共同墓地を選択肢に入れておくべきです。
集合墓の3つのデメリット
メリットがある一方で、集合墓を選んだことによるデメリットもあります。
メリットだけでなく、デメリットや自分のライフスタイルや家族構成などを考慮して、集合墓にするかどうかを決めましょう。
1.他人と同じ場所に埋葬されてしまう
集合墓地では、赤の他人と同じ場所に遺骨を埋葬します。そのため、個人墓地に比べ故人を感じにくいというデメリットがあります。
お墓は、残された家族が故人との思い出を振り返れる数少ない場所です。故人に対して強い思い入れがある場合は、お墓が心の拠り所となることも珍しくありません。
しかし、集合墓地では、他人も埋葬されているため、故人と繋がっていることを感じ取ることは難しいです。
亡くなった後でも故人との繋がりを感じていたいと強く願う方は、個人墓地を利用するのがよいでしょう。
2.遺骨を取り戻すことはできない
集合墓地では、骨壺から遺骨を取り出され、他人の遺骨と一緒に埋葬されます。そのため、どれが故人の遺骨なのか見分けることは困難です。
遺族の方の中には、赤の他人の遺骨と混ざってしまうことに抵抗がある人もいるでしょう。そのような方には集合墓地はおすすめできません。
また、一度他人の遺骨と混ざってしまうと、回収することは不可能となるので、その点にも注意すべきです。
3.お墓の場所を移すことはできない
一度集合墓地に埋葬すると、遺骨を別のお墓へ移すことはできません。なぜなら、集合墓地に埋葬されると、ほかの遺骨と混ざってしまい、故人の遺骨を回収することが困難になるからです。
そのため、家族が別の地域に引っ越すからといって、お墓も引っ越しさせるという訳にはいきません。集合墓地では、一度埋葬した場所から遺骨を移すことができないため、墓地選びは慎重に行うべきでしょう。
集合墓と共同墓・合葬墓・合祀墓などの違い
集合墓と似たような言葉として共同墓、共同墓地、合同墓、合葬墓、合祀墓、永代供養墓といったものがあります。
これらは、ほぼ同じようなものと見なして構いませんが、少しだけ異なる部分もあります。
これらの墓の形式は、厳密に定義されている訳ではありません。そのため、霊園やお墓によって内容が異なる可能性があります。お墓を選ぶ際は、どのような形態のものなのかしっかり尋ねることをおすすめします。
共同墓は合奏葬墓とほぼ同じ形式
共同墓は、集合墓とほぼ同じ形式を取るお墓と考えて差し支えありません。つまり、石塔の中に血縁関係のない複数の遺骨を埋葬する形式のお墓が共同墓です。
また、これとは別に、身寄りのない人々が共同でお墓を建てる場合も共同墓と呼ばれます。集合墓の場合は、霊園が複数人の供養・埋葬を引き受けますが、共同墓の場合では、霊園を介さず、一緒のお墓に入るもの同士で作るお墓のことも指すと覚えておくとよいでしょう。
共同墓地は自治体が運営する場合もある
共同墓地は上述の共同墓と同じものといえます。ただし、共同墓地という名称の場合、自治体が運営する墓地のことを指す場合もあります。
自治体が運営する墓地でも、集合墓地のように複数人の供養と埋葬を一挙に引き受けるので、墓の形式としては変わりません。公営の墓地であるという点のみが異なるだけです。
合同墓と合奏墓は集合墓と同義
合同墓は集合墓と同じ意味と考えて問題ありません。つまり、複数の遺骨をまとめて埋葬するのが合同墓です。
一方、合葬墓も、赤の他人と一緒にまとめて供養・埋葬を行う墓のことを指し、集合墓と同義といえます。
永代供養墓は遺骨を骨壷に入れたまま埋葬するのが一般的
永代供養墓も複数の人をまとめて供養するという点で集合墓と同じです。ただし、永代供養の場合は、遺骨を骨壺に入れたまま埋葬するのが一般的です。そのため、遺骨が混ざって故人の遺骨が回収できなくなるといった心配はいりません。
昨今では、お墓の形態や埋葬方法が多様化しており、集合墓でも骨壺に入れたまま埋葬するケースや、永代供養でも遺骨から取り出してほかの遺骨と一緒に埋葬する場合もあります。
いずれにせよ、お墓をご利用の際は、どのような埋葬方法となるのか尋ねておくのが無難です。
「集合墓 宙(そら)」であれば年間管理費不要
集合墓を利用する場合、気になるのがかかる費用です。
なかには、金沢・石川のふれあいパーク霊苑「集合墓 宙(そら)」のように年間管理費不要の集合墓もあります。
こちらの集合墓は、宙に旅立つ舟をイメージして作られた明るいデザインが特徴で、ガラス墓誌のネームプレートに故人の名前を刻むことができます。
販売価格は8万円から。ふれあいパーク霊苑は、石川県金沢市に施設を構えているので、お近くにお住まいの方はぜひご利用ください。